目次
■目的
~ 「現状」 を今一度よく確かめるために 〜
3.11から5年が経とうとする今もなお、東日本の各地では放射性セシウムが土壌から普通に検出されています。空間線量測定だけではわかり得ない、具体的な汚染状況を把握するためには土壌測定が必要です。
子どもたちが安全に遊べる場所はどこかという不安、汚染の実情を知りたいという思い、本来なら国が測定すべきではないかという疑問、
そういった声を受けて、私たちは「土壌測定プロジェクト」にチャレンジしようと決意しました。
セシウム137の半減期は30年であり、土壌汚染はこの先長く続きます。その一方で、半減期が2年と短いセシウム134は、
測定できなくなってしまうという時間的制約があるため、今が取り組み始めるべき大事なタイミングと判断しました。
事故後5年が経過し、何事もなかったかのようになりつつある中で、土壌汚染の現実をできるだけ正確に広範囲に捉えていきたいと思います。
測定データが社会のあり方を考えるみなさまの指標の一つとなり、被曝低減の助けとなるよう努め、
同時に、全国の測定室の利用と支援が広まればと考えております。
〜 「未来」 に遺す貴重な記録として 〜
このデータはまた、不幸な事故に遭遇した私たちが未来に遺す貴重な記録でもあります。未来を託す子どもたちのために、きちんと記録を遺していきたい。それが、大きな事故が引き起こされてしまった時代に生きる、私たち大人に課された
責任ではないでしょうか。
~ 「みんなのデータサイト」は、誰もが簡単に使えるようにつくられた 測定データ検索サイト です 〜
「みんなのデータサイト」は、全国の市民放射能測定室でこれまで積み上げてきたデータを、一元管理することで、誰にでもわかりやすく、インターネット上で手軽に検索ができるように作成・公開されたデータベースです。
2016年3月現在約12,300検体を登録した「食品」の測定データに加え、「土壌」測定データを2本目の柱とし、
みなさまの判断の一助となるように順次公開をしております。
3つの方針:「市民の力で」 「正確なデータの蓄積」 「わかりやすい情報提供」
■目標
市民の力で、東日本の放射能による土壌汚染をベクレル測定して、広範囲に明らかにし、記録する。<期間>
期間(第1期):2014年10月〜2015年9月
期間(第2期):2015年10月〜2016年9月
期間(第3期):2016年10月〜2017年9月
<対象エリア>
対象エリア:東日本・17都県
青森、岩手*、秋田、宮城、山形、福島、茨城、栃木、
群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、山梨、長野、静岡、新潟
*岩手は先行して300ヶ所の採取測定を行なうプロジェクトが「土壌プロジェクトいわて」により2012年〜2013年に実施されました。
■測定結果を「みんなのデータサイト」にアップしてMap公開中。
■多くの地点の結果が集まった時点で、紙のマップを製作予定。
■面積当たりの放射能存在量の試算(Bq/kg→Bq/平方メートル)を行なう予定。
【プロジェクト概要】
■進め方の体制について
このプロジェクトは、「採取にご協力頂ける方」、採取された土壌を「測定する測定室」、「資金でサポートしてくださる方」の3者で支え合い、全体の運営を「みんなのデータサイト」事務局がバックアップし、
データ公開していくという形で、進めていきます。
皆様のご協力、何卒よろしくお願い致します!!
■採取について
第一期には手を挙げて頂いた地区から、プロジェクト化して活動を広げていきました。おかげ様で無事、目標数の採取が完了した地区も出てきて、現在はまだ採取の進まない「空白域」に
焦点を絞って採取をお願いしております。
該当エリアでは1カ所の採取から参加できます。
採取完了エリア、空白域についてはこちらをご確認ください→採取・空白エリアマップ・表へリンク
■皆様へのフィードバック
測定箇所の測定結果報告書送付(スペクトル付き)、およびデータサイトでのデータ閲覧【採取方法概要】
*各地の結果を比較できるよう、統一のやり方で採取します。詳細な採取方法については、マニュアルを用意しています。<採取マニュアルページへ>
■水分による重量誤差と、ガンマ線減衰による測定誤差を極力防ぐため、含水率10%以下を目指し、 採取は、数日間雨が降らなかった日に行なうものとします。
■最初に空間線量率(1m、5cm)の測定により、採取地点を決めます。(可能な限り)
■採取地点の写真を撮り、所定の帳票(野帳)に地点名や天候、地点の特徴など必要事項を記録します。
■GPSで緯度・経度を確認し、採取地点の記録をします。
■きっちり5センチメートルの深さの土壌を採取します(セシウムの大部分が地表5センチメートル以内にとどまっているため)。
■土壌をビニール袋に入れ、よく撹拌します。所定の伝票に採取場所情報などを書き込み印をつけ、きっちりと梱包をします。
■事務局から指示のあった測定室に、土壌を送付してください。
※送付せずに、直接参加測定室に持ち込まれる場合は、事前に測定室にご一報ください。
【資金について】
「東日本土壌ベクレル測定プロジェクト」は、東日本17都県にて各地区最低100ヶ所以上(300ヶ所測定出来るとかなり精密なデータになります)の測定を目標としています。
1ヶ所の測定に実際は約2,000円の経費がかかるのですが、「みんなのデータサイト」では、
半減期が2年と短いセシウム134の測定が可能であろうこの1年になるべく多くの採取ができるよう、
採取協力者からは測定料を頂かずに、資金協力をあらためて皆様にお願いすることとしました。
ご協力の程お願い申し上げます。
<「資金サポーターになってください」ページへ>
【測定室について】
このプロジェクトで採取した土壌は、「みんなのデータサイト」の主に東日本の参加測定室にて測定します(2016年3月現在:参加測定室28団体)。参加している測定室は、独自の精度検定をクリアしており、測定精度が確認されています。
測定結果は、測定した測定室によって、共通のデータベースに蓄積されます。
全国の善意ある測定室がボランティア・スタッフの皆様に支えられて成り立っています。今回の「測定料無料」の決断も、
多くの測定室自身のご意見により、決定されたものです。是非、測定室の応援をよろしくお願い致します。
尚、東日本を含む全国の参加測定室に、プロジェクトの共通カンパ箱が設置されています。
離れた地域の測定室でも、応援が可能ですので、是非お近くの測定室にお問い合わせください。
【地域について】
このプロジェクトは、「東日本17都県で取り組みを起こす」という前代未聞のプロジェクトです。各地で放射能汚染を心配している個人・グループが小さな声を上げてくださることで、地域の芽が出て、
地区グループが発生していくことで、3.11から沸き上がった思いが再度繋がり、地域の活動の輪が広がって再生されていく
きっかけになれば良いなあと願っています。
自分ひとりでは出来ないと思っている方も、ご連絡頂くことで、事務局と地区の測定室を通じて、同じ地区で同じような思いをお持ちの方と
巡り合って頂くことも可能だと考えています。各地で「土壌サンプリング講習会」を実施していきたいと思いますので、ご連絡ください。
震災をきっかけに様々な分断が起こってしまいました。私たちは、このプロジェクトが、再度市民が立ち上がって繋がり合うきっかけにもなり得るものではないかと考えています。
身体を動かして採取をして頂くこと、頭を使って資金を集めて頂くことで、これまで知らなかった地域の方と知り合える要素がたくさんあると思います。
それこそが、プロジェクトのキャッチコピーともなっている「~知ろう!測ろう!つながろう!」の意味なのです!
プロジェクトで培われた地区の輪は、ぜひ様々な活動のプラットフォームとして活用して頂ければ幸いです。
【事務局について】
採取ご協力のご連絡を、最初に受け取るのが「事務局」です。現在、事務局は「みんなのデータサイト・運営委員会」に参加しているメンバーが、それぞれの活動を抱えながら、
少しずつ実務を分担して運営しています。
予算の関係上、専従者がいない中での運営で常時多忙を極めていますが、採取者・地域グループのバックアップ、
測定室との橋渡し、資金調達・予算の管理、チラシやグッズの作成、測定結果をサイトにアップして公開(日本語・英語サイト)することなど、
全体のコーディネートを裏方として全力で支えています。
プロジェクトがどんどん広がっていくため、連絡がないなど、ミスが起こるかもしれません。
そんな時は、お手数ですが事務局までご連絡くださいますようお願い致します。
また、逼迫する実務や場所の問題などを、画期的に解決するアイデアをお寄せ頂けたら、嬉しく思います。どうぞよろしくお願い致します!